三寒四温を繰り返し、だんだん春に向かい大地が暖まり冬眠していた虫が、目を覚し活動を始める頃という意味の啓蟄。
啓は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味です。虫も人もウキウキする春、元気に過ごすための旬の食材や七十二候を紹介していきます。
2024年3月、少し加筆しましたので改めて掲載します。
二十四節気「啓蟄」
啓蟄とは、実際に虫が動き始めるのは日中の平均気温が10℃を超えるようになってからなので、鹿児島では2月下旬頃、東京や大阪で3月下旬頃、札幌は5月上旬頃になります。虫が冬眠から目覚めるとそれを食料にしている小動物も冬眠から目覚め始めます。また冬の初めにまいた菰を外す「菰外し」を地域によっては啓蟄の恒例行事にしているところも多いです。
七十二候「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)桃始笑(ももはじめてさく)菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」
初候「蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)」2024年3月5日~9日
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)とは、土の中で冬眠をしていた虫たちが、暖かい春の日差しの下に出てき始める頃。
土から出るとは言わずに、とをひらくと表現することで虫だけでなく、冬眠から目覚めだしたすべての生き物に対して表現する。
次候「桃始笑(ももはじめてさく」2024年3月10日~14日
桃始笑(ももはじめてさく)とは、桃のつぼみが開き花を咲き始める頃。
昔は“咲く”とい う言葉を“笑う”と表現したそうです。花の見ごろが短い桃の花はゆっくりと枝に沿って開いて 、ほほ笑んでいるように見えて、見ている人の表情を笑顔にさせてくれるのかもしれません。
末候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」2022年3月15日~19日
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)とは、厳しい冬を無事に越したさなぎが羽化し、変身を遂げきれいな蝶へと生まれ変わり、軽やかに舞い飛ぶ頃。
菜虫とは、菜の花や大根や蕪などの葉につく、青虫のことをいいます。
「啓蟄」の時期のおススメ食材
- 山菜
ゼンマイ・ウド・つくしなどの山菜の独特な苦味や辛味は、冬の間に縮こまっていた体に刺激を与え、たまった体の老廃物を排出させ、体をシャキッとさせ活動的にしてくれると言われています。また山菜は、春の息吹を感じることができる大事な食材です。
- 鰆(さわら)
字のごとく春を告げる魚。産卵のために瀬戸内海の沿岸に押し寄せます。特に岡山の鰆は有名です。ほかに、鰊も春告げ魚と呼ばれています。
- 菜の花
菜の花を見ると「春が来たな~」と思います。菜の花は、春先の寒暖差で出てくる不調を血のめぐりをよくしてくれます。菜の花パスタなんて美味しいですよね。
- ホタルイカ
富山湾に集まる大群が、ホタルイカの体にある発光器が青白く光りを放ち幻想的な光景になるそうです。
- 新玉ねぎ
新玉ねぎは柔らかく辛みも少く食べやすいので、我が家ではスライスにして鰹節を乗せポン酢をかけて食べます。 - 他にも、春キャベツなどお野菜の種類もどんどん増えてきます。
「啓蟄」の時期のおススメの季節の花
- 桃の花
桃の節句でも飾られる桃は邪気を払う植物とも言われています。ひな祭りの時期は桃の花を飾ることも定着して花屋さんでは菜の花とセットになってますよね。
- 芝桜
芝桜は、芝生のように地面を覆い、桜に似た小さな花をつけることからこの名前がつけられました。近頃では公園などの景観づくりにも役立っています。全国でも数少ない芝桜専門の庭園が兵庫県にあります。
- ビオラ・パンジー
この時期、花壇などを華やかにしてくれるビオラやパンジーは、花柄つみをまめにすると長く花の時期を楽しめます。
これから暖かくなってくると、花屋さんの前を通るとたくさんの色とりどりの花のが並び、見ていると楽しくになりますね。
最後に
二十四節気「雨水」の時に「お雛様を出しましょう」とお伝えしましたが、今度は片付けるのはいつ?ですよね。
「啓蟄」が過ぎたら片付けるところと、旧暦の3月3日が過ぎたら片付けるところがあります。どちらで片付けてもいいですが、片付けるときはお天気のいい日でカラッとした日にしてください、お人形は湿気を嫌いますからね。