近年では、夏至と冬至の夜、世界の各地でキャンドルナイトのイベントも広がっています。
このイベントは、照明を消してキャンドルの灯りだけで過ごすというシンプルなもの。今年の夏至は、おうちでお気に入りの香りのアロマキャンドルを使って、キャンドルナイトを楽しんでみてはいかがでしょう。
2024年6月、少し加筆しましたので改めて掲載します。
二十四節気「夏至」
「夏至(げし)」は、「夏に至る」と書くように、この頃から夏の盛りに向かいます。また、「夏至(げし)」は、昼が最も長く夜が最も短いということで、夏の短い夜は「短夜(みじかよ)」と呼ばれ、夏の季語にもなっています。
また、梅雨の時期ですが、晴れていれば陽の光を浴びて太陽からのパワーをもらいましょう!
朝日を浴びると、脳にセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が作られるそうです。セロトニンというのは、気持ちを落ち着かせたり、スッキリさせたり、脳を活性化させる働きがあると言われています。
なので、夏至の時だけでなく朝起きたら窓を開け、朝日を浴びて気持ちをスッキリさせて、一日を過ごすといいです。
七十二候「乃東枯(なつかれくさかるる)菖蒲華(あやめはなさく)半夏生(はんげじょうず)」
初候 乃東枯(なつかれくさかるる)2024年6月21日~25日
乃東枯(なつかれくさかるる)とは、冬至の頃に芽を出した「靫草(うつぼぐさ)」が枯れていく頃。枯れた花穂は乾燥させ煎じて飲むと利尿や消炎作用、血圧降下などにも効果があり漢方薬に用いられます。
次候 菖蒲華(あやめはなさく)2024年6月26日~6月30日
菖蒲華(あやめはなさく)とは、アヤメが花を咲かせる頃。アヤメが咲くと、梅雨到来といわれていました。
アヤメ、ハナショウブ、カキツバタはよく似ており、非常に見分けがつきにくいです。アタメを区別するには、花弁の基部に網目模様(綾目)がついているかで見分けられます。
末候 半夏生(はんげじょうず)2024年7月1日~5日
半夏生(はんげじょうず)ここで言う、半夏とは烏柄杓(からすびしゃく)という植物の別名で、この毒草が生ずる季節という意味です。また、田植えの目安とされ、この頃までには田植えを終えるべきとされていました。
半夏生の日に降る雨を半夏雨(はんげあめ)と言い、この雨が降ると大雨が続くと信じられていました。冬至にはかぼちゃを食べる風習がありますが、夏至は地方によって様々な風習があります。関西では半夏生の日にタコを食べる習慣があり、関東では焼き餅をお供えたりします。沖縄では、この頃に吹く季節風を「夏至南風」といい、この風が吹くと、梅雨が明けて本格的な夏の訪れると言われるそうです。
「夏至」の時期のおススメの食材
- タコ
夏至初日から11日目は「半夏生(はんげしょう)」と呼ばれ、季節の移りかわりの目安となる雑節(ざっせつ)の一つ。「田植えは夏至の後、半夏生に入る前に終わらせるもの」と、農作業の大事な目安にされていました。
関西では半夏生にタコを食べる風習があります。これは稲の根がタコの足のように、強く広く大地に根付いてほしいと祈願をこめて食べる習慣になったとも言われています。また、タコにはタウリンが豊富で、半夏生の頃にはちょうど農作業も終わる為、疲労回復に良い食材で、大阪湾から瀬戸内海にかけての海では、身の引き締まったおいしいタコが獲れます。
- 半夏生餅(はんげしょうもち)
タコと同じようにこの時期、奈良や大阪・河内地方を中心とした地方で食べられる「半夏生餅(はんげしょうもち)」は、田の神様に供えて感謝をする風習があります。半夏生餅とは、収穫した小麦ともち米を合わせてつき、きな粉をまぶしたもので、郷土の行事食として和菓子屋さんに並びます。
- 冬瓜
冬瓜は90%以上が水分で出来ています。また、体の中の余分な熱を冷まし足り毒素を追い出してくれる食材で、夏場のむくみやのぼせにも効果があります。私はあっさりスープで食べます。
- 枝豆
ビタミンや食物繊維、鉄分が豊富で疲労回復効果も高く、貧血予防や美肌のほかにもアルコールを分解して肝機能を助けてくれます。
「夏至」の時期のおススメの季節の花
- アヤメ
アヤメは江戸時代以前は、端午の節句の菖蒲湯に使われた菖蒲のことをアヤメと呼んでいたそうです。アヤメによく似た杜若(かきつばた)・花菖蒲も、アヤメと見分けるのは花弁の基部に網目模様がついているかで見分けがつきます。 - オクラの花
旬の食材で紹介しようかと思ったのですが、あえてこちら季節の花で紹介します。
オクラの花は早朝にクリーム色のきれいな花を咲かせます。日が昇るころにはしぼんでしまうのでオクラの花を見たい方は少し早起きしてみてくださいね。また、オクラはプランターでも栽培しやすくので苗木を買ってきて育ててみるのもいいですよ。 - サンダーソニア
この時期に花屋さんで見かける、オレンジ色のベルのような見た目がかわいいお花です。球根植物で、花を咲かせるまでに3年ほど球根を育てるそう、なので貴重なお花ともいえます。花言葉「祝福」「祈り」「祖国への想い」
最後に
6月30日には「茅の輪(ちのわ)」をくぐる「夏越しの祓え」が神社で行われます。
茅の輪をくぐって無病息災や家内安全を願う行事です。早いところであれば6月中旬ごろから設置されていたりしますので、一度くぐってみてくださいね。くぐり方は下記「京都伊藤軒」さんのイラストが分かりやすかったのでお借りしました。
私が住んでいる明石は「明石だこ」で有名です。ですが、半夏生にタコを食べる習慣があったことを知ったのは3年ほど前の事でした。
暦を勉強することで、目に入ってくる情報も変わります。ほんの少し視点を変えるだけで生活も変わります。皆さんも身近なところから季節を感じてみてください。
発酵×開運ライフデザイナー|春風ほの香